◆ 知的資産とは、
多くの企業や従業員は技術力や顧客対応力、他社との連携力などの様々な力を強化、向上することで、品質の高い製品やサービスを顧客に提供しています。こうして蓄積された力は目に見えない経営資源として競争力の源泉となり、将来につながる真の力として以前にも増して経営に大きな影響を与えています。このような目に見えにくい経営資源の総称を「知的資産」といいます。
例えば、人材、技術、技能、知的財産(特許・ブランド等)、組織力、企業理念、顧客とのネットワーク等のことで、経営上の取り扱いの観点からヒトの能力などに関わる「人的資産」、品質管理や情報システムなどの仕組みに関わる「組織資産」、顧客や協力会社などとの関係に関わる「関係資産」の3つに分類されます。
|
知的資産の3分類 |
|
人的資産(human capital)
…従業員の退職時に一緒に持ち出す資産をいい、個々人の知識、技術経験、能力などを含む
例)イノベーション能力、創造力、ノウハウ、過去の経験、柔軟性、学習能力、モチベーション、忠誠心、教育・訓練 |
|
組織資産(構造資産)(structural capital)
…従業員の退職時に企業内に残留する資産をいい、組織的ルーチン、手続き、システム、文化、データベースなどを含む
例)組織の柔軟性、文書サービス、知識センターの整備、情報システム、組織の学習能力 |
|
関係資産(relational capital)
…企業の対外的関係、顧客、供給業者、R&Dパートナーとの関係などに付随した全ての資産をいい、ステークホルダーとの関係に含まれる人的資産・構造資産の一部や企業に対して抱くステークホルダーのイメージなどを含む
例)イメージ、顧客ロイヤリティ(忠誠心)、顧客満足度、供給業者との関係、宣伝力、金融機関への交渉力、環境活動 |
(出所:知的資産の会計、古賀智敏著)
|